なぜ、数あるRPAから「PowerAutomate」を選ぶのか?
会計事務所が実務で使えるRPAを選択する時の6つのポイント
弊社では2018年から社内でRPAを導入してきました。本ページに掲載のRPA比較一覧表のRPAもいくつか導入しましたが、様々な課題があり実用化に至りませんでした。例えば、RPAが日本語対応をしておらずプロセスが複雑であったことや操作研修ばかりでRPAを活用する目的が明確化されなかったこと、他のRPAと比較して実務的にできることが限られたことなどの問題がありました。
その中で、「WinAutomation」(Softomotive社製。2020年5月MicrosoftがRPAベンダーのSoftomotiveの買収。現在はPower Automate Desktopに機能が組み込まれている)に出会い、社内のRPA推進が大きく加速しました。
そして、現在は「Power Automate」を活用し、日常レベルでRPAの開発が進んでいます。会計担当者や営業アシスタントなどSEではない者が自分の業務改善のためにRPAを手軽に開発するのです。
様々なRPAを導入した結果、実務レベルでのRPA活用に至ったポイントを6つご紹介いたします。
使ってみての実感
他のRPAと比べて出来る範囲が広い(弊社での実感)
マイクロソフトの技術優位性
- マイクロソフトが、WinAutomationを買収し、「Power Automate Desktop(ダンプ)+Power Automate(軽トラ)」体制を作った。
- マイクロソフトはWindowsOSの開発・販売元。OSの非公開情報が利用できるため、Power Automate Desktopの絶対優位性が決定。他のRPAは、ロータス123⇒エクセル、一太郎⇒ワードと同じ道をたどる!?
価格
- Microsoftは、5万円⇒5,000円(月額)という価格破壊をした。Power Automate Desktopが市場を制覇することは確実。
- マイクロソフトPower Automate(簡易版RPA)は価格が実質0円。しかも、結構使える。
使いやすさ
- Power Automate Desktopは、日本語版が出た。
- 400種類以上のテンプレートが用意されていて使いやすく、今後普及期に入る。
他のRPAの今後
他のRPAも今後、特殊車両(クレーン付きトラック等)として存続する。DXには必要。・・・注目は続けるべき
RPAはこれまで大企業や官庁などが作業領域として活用していました。RPAは大量・反復・正確・不眠・不休・不怠の作業に向いており、中小企業ではなかなか活用できませんでした。
しかし、弊社がRPAを開発していく中で、作業領域だけではなく、コミュニケーション領域にも使えることが分かってきました。メール・チャットなどを自動対応、ワークフローや予約管理、ソフト間でのデータの受け渡しなどがあげられます。つまり、RPAは中小企業にも使えるのです。
会計事務所がコミュニケーション領域でのRPAの活用を広げるためには、お客様とのやり取りにチャットツールも併用すべきと考えます。弊社でも様々なチャットツールを活用してきましたが、Microsoft365が非常に使いやすいことが分かりました。
データのフォルダ別保存・整理機能(月次・決算等、エクスプローラー同等の整理) | ワンクリックでのデータオープン | データ容量 | 顧客毎のポータルサイト機能 | |
---|---|---|---|---|
ペーパーレス化に必須機能 | ||||
Chatwork | × | × Excel・Word等を編集する時にダウンロードが必要 |
△ 100GB |
△ |
Mykomon会議室 | 〇 | × Excel・Word等を編集する時にダウンロードが必要 |
× 0.1GB |
△ |
Microsoft365 SharePoint Teames OneDrive | 〇 | 〇 | 〇 1TB(最大24TB) |
〇 設計の自由度 利用可能ユーザー数 |
Microsoft365は、MicrosoftのRPA「Power Automate Desktop」との親和性が格段に高くなっています
RPAを日常レベルで活用するには、価格が安いことが必要条件です。
月額5万円10万円といったRPAでは、社内で何台も同時に気軽に稼働させることができず、普及スピードが上がりません。
なぜなら、台数が少ないと、稼働時間がバッティングしてしまい、RPAがタイムリーに自動で作動できません。エラーが発生して、結局「RPAは使えない」となるからです。
Microsoftの「Power Automate Desktop」が、月額4,000円という破格の料金で、高額なRPA以上の性能があることは、決定的に成果の違いを生みます。各RPAの違いは下記の表をご覧ください。
RPAソフト23種比較一覧表
No. | ツール名 | 提供会社 | 種類 | 無料トライアル | 初期費用 | 月額料金 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Autoジョブ名人 | ユーザックシステム株式会社 | RPAツール | - | - | - |
2 | RaQubo(ラクーボ) | 株式会社デジタルワークス | RPAツール | あり | 200,000円 | 50,000円~ |
3 | Uipath StudioX | Uipath株式会社 | RPAツール | あり | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
4 | CLOVA OCR(クローバOCR) | LINE株式会社 | AI-OCR | あり | - | 3,000円~100,000円 |
5 | AI-OCRソリューション | 株式会社JSOL | RPAツール+AI-OCR | あり | ~200,000円 | 30,000~200,000円 |
6 | SynchRoid(シンクロイド) | ソフトバンク株式会社 | RPAツール | あり | - | 年額60万円〜 |
7 | クラウドRPA「BizteX cobit」 | BizteX株式会社 | RPAツール | あり | - | 100,000円 |
8 | RPAロボパット | 株式会社FCEプロセス&テクノロジー | RPAツール | あり | - | 40,000円~120,000円 |
9 | パトロールロボコン | 株式会社コムスクエア | サーバー監視RPAツール | 要問い合わせ | - | 要問い合わせ |
10 | CELF RPAオプション | SCSK | RPAオプション | あり | - | 年額35,000円(1端末) |
11 | SMART Message BOT | ネオス株式会社 | チャットボットRPAツール | あり | 1,560,000円 | 利用者に応じて相談 |
12 | HRRobo For SAP HCM | 株式会社オデッセイ | SAP人事用RPAツール | なし | - | 要問い合わせ |
13 | BizRobo | RPA テクノロジーズ株式会社 | RPAツール | なし | - | 要問い合わせ |
14 | 業務自動化ソリューション - ipaS | 株式会社デリバリーコンサルティング | RPAツール | サンプル対応 | - | 要お見積 |
15 | NaU DSP | なうデータ研究所 | 金融機関向けRPAツール | なし | - | 要問い合わせ |
16 | DAiKO RPA Powered by おまかせRPA | 大興電子通信株式会社 | 導入サポート | 要問い合わせ | - | 要問い合わせ |
17 | NOC RPAサービス(WinActor) | NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社 | 導入サポート | - | - | - |
18 | WinActor導入支援 | 日本ワムネット株式会社 | 導入サポート | あり | - | 要お見積 |
19 | LoBoT | ピーシーフェーズ株式会社 | EPAツール(顧客対応自動化) | なし | 200,000円 | 50,000円 |
20 | Rebot(リボット) | 株式会社Resola | EPAツール(顧客対応自動化) | なし | 100,000円 | 50,000円 |
21 | Sprocket | 株式会社Sprocket | CAツール(Web接客) | デモで対応 | - | 150,000円~ |
22 | Make Leaps | メイクリープス株式会社 | CAツール(請求書発行) | あり | - | 個人500円〜 法人800円〜 |
23 | MotionBoard Cloud | ウイングアーク1st株式会社 | CAツール(BI) | あり | - | 30,000円~ |
※掲載情報は2020年10月時点で弊社が確認したものであり、情報に変更がある場合もございますので、ご了承ください。
「RPA:Robotics Process Automation」
「EPA:Enhanced Process Automation」
「CA:Cognitive Automation」
最近のRPAは、日本語対応をしているものも数多く出回っていますが、PowerAutomateの利点はなんと言っても接続できるサービスの多さです。下記の画像に参照している、Microsoft、Google、Twitter、InstagramなどMicrosoft以外のサービスにも対応しており、432種類ものサービスやアプリケーション同士を簡単に連携できます。
この手軽さにより、SEなど専門知識を持った人やRPA開発のための専任者を置かなくても、社内の各部署で気軽にRPAを使うことが可能です。Excelを使う感覚で誰もがRPAを使用できて初めて絶え間ない業務改善をもたらすと言えます。
Power Automate を使用して接続できるサービスの一例
社内で毎週30分のRPAミーティングを行っています。ミーティングにはRPAのメイン開発者をリーダーとして置き、参加者は会計担当者、営業アシスタント、バックオフィス担当者など8名程度が参加し、部署も業務もバラバラです。
ミーティングではRPA開発の成果報告を全員が行い、開発でのつまづきや困ったこと、成功事例、次の開発のアイデアなどの情報が共有されます。別の人の開発事例を聞くことで自身の業務活用のヒントや開発スピードの向上にもつながるなど、様々な成果が生まれます。
ぜひ皆様も、RPAミーティングを実施なさってください。